これまでの道のり vol.1

2022年04月01日

きっかけ 看護師からセラピストの道へ

会社員の父と専業主婦の母との間に、三姉妹の三女として生まれました。母にも娘たちにも、厳しさや過干渉、束縛という偏った愛情表現をする父親でしたが、それをいつも和ませてくれていたのが、とても明るく優しい、姉妹のようでもあった母親でした。

中学から高校へと進むにつれて父親の束縛や厳しさは増し、常に父親の顔色を伺いながら過ごす不自由さを感じていたため、早く家を出たいという思いが強くなるばかりでした。

こうした家庭環境の中で育った私にとって進学や就職を考えるときの選択の基準は、父から離れられ、安心して自由になれること。いつの間にかやりたいことよりもこの基準を満たしていることが優先となっていました。

看護師の仕事はその基準を満たす仕事でもあり、父に反対されることなく看護学校卒業後は、大学病院へ就職。しかしその1ヶ月後、母の突然の事故死によりようやく出た実家に、また戻る状況になりました。

看護師になったばかりの私は、仕事を覚えることや不規則な勤務や忙しさで少しずつ悲しみが紛れていくものの、体調を崩してしまった姉と、変わらぬ厳しい父のことがさらに深く重い気持ちとして、気がかりな状況となっていました。

ただ、時が経つにつれ、思っていた以上に人の役に立つことが出来る喜びや充実感を得られ、友人や同僚と過ごす時間も楽しめ、看護師の道を選んだことに救われた思いでした。

そして、10年間大学病院で勤務後、父の反対を受けることなく、結婚。しかし、実家の父と姉に対する気がかりな状況は変わらず、結婚生活や、家庭を築くということに対して、どこか空虚感がありました。

今まで悩みがあっても、そのほとんどを自分の心の中に留めてきた私にとって、この感情をどう受け止めれば良いのかが分からず、自分の想いを上手く伝えきれないまま、この結婚は、2年で離婚に至りました。

vol.2へつづく